「げしゅく(下宿)
宿屋営業の一。
1ヶ月分の食料・座敷料等を定めて
人を寄宿せしむるものにして、
炭油費その他諸器具は寄宿者自身の支弁なるを普通とす。
明治28年3月警視庁令第2号宿屋営業取締規則によれば、
東京府下にては、
下宿屋の出入口は便利にして、かつ危害なき設備をなし、
客室の構造は
十分光線を取り空気を融通せしむるに適当なる装置を
なさざるべからず。
客室の境界は壁・襖・板戸を用い、
押入又は戸棚を設け、
各室堅固にして鍵を個にせる錠前を附することを要す。
2階又は3階を設くるときは、
その房室の坪数15坪以上のものは
幅員3尺以上の階子2箇以上を設くべく、
便所は各2箇以上(客室の坪数10坪以上なるときは1箇)を
臭気の客室に及ばざる所に設け、
日々清潔に掃除せざるべからず。
営業者は下宿・転宿又は出発したる者ある毎に
24時間以内に届書を
所轄警察署・警察分署・巡査派出所もしくは巡査駐在所に差出し、
1通に検印を受け、これを編綴して保存するを要す。
下宿人外泊3日におよび、その所在不分明なるときは、
24時間以内に
所轄警察署・警察分署・巡査派出所もしくは巡査駐在所に
届出でざるべからず。」
関連書籍等
『貼雑年譜』156-157頁に乱歩経営下宿屋の広告・平面図。
『屋根裏の散歩者』は、下宿屋が舞台。
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